プログラムの文法や、データを処理させるために何を書けばいいのかは、本やWEB、学校の授業から教わることができますよね。
でも、UIを作り、それに入力した内容に応じて出力を変えたりとか、さらにそれをアプリケーションにしたりなどはなかなか初心者向けの本には載っていないものです。
本書は初心者さんでもUI作成の方法や、作ったプログラムをアプリケーション化する方法を学ぶことができる貴重な1冊ですよ!
基本情報 | |
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タイトル | Pythonではじめるデスクトップアプリ開発入門 |
著者 | 久我 涼子 |
出版社 | 個人出版 |
発売日 | 2021/10/26 |
書籍サイズ | A5判 |
ページ数 | 228ページ |
電子書籍 | あり |
Python初心者
Tkinterを使用したGUI開発を学習したい人
Pythonのコードをデスクトップアプリケーションにする方法を知りたい人
開発環境の入手方法と使い方から解説されている
本書は、Pythonに全く触れたことが無い人でも読みながら実践することが可能です。
「Anaconda」のインストール方法から解説しています。
Anacondaとは、簡単に言うとPythonのプログラミングに必要なソフトやツールをまとめたソフトのことです。
Anacondaは無料で入手可能でこれさえあればPython開発ができる代物です。
本題であるアプリケーション開発の解説には、「Jupyter Notebook」というツール(統合開発環境、IDE)を使用しています。
もちろん、ちょっとでもPythonは経験済みだよ!という方であれば「PyCharm」や「Spyder」など他のIDEでもできる内容です。
実践的なアプリ開発を学べる
文法がわかってもその使い方がわからない……なんてことになっていませんか?
方言や外国語が聞き取れるのに、話せない、みたいな。
「こんな時はこのコードを書けばOK!」といった内容の本はたくさん出ていますが、そういったものを自力で作るにはどのように考えればいいのか?までは載っていないことが多いです。
本書では、アプリ開発の流れも学ぶことができますので、その点が解消されます。
アプリ開発をするには、ユーザが見て触る部分であるGUIの作成と、その裏側で実際の処理を行う部分の作成が必要です。
さて、どちらから作るのが良いでしょうか?
そもそも、いきなり作るのが効率の良いやり方なのでしょうか?
そんなところも本書を読めば解決します。
スクリプトファイルを実行ファイル形式にする方法を解説している
Pythonの多くの参考書は、ツール(統合開発環境、IDE)上でプログラムを実行させるところまでしか解説していなかったりします。
初心者向けの、会社の事務作業の効率化を目的とした本であってもです。
そうなると、「自分は作業の効率化ができたけど、同じ作業をする他の人と共有するのが難しい」という事態に陥ってしまいます。
プログラミングをしない人たちのPCひとつひとつに開発環境を入れて設定をして……というのはなかなかに手間です。
クリックで作ったツールが実行されるファイルを配布できたら、お互い楽ですよね。
本書ではプログラミングして作ったPythonのファイル(pyファイル)を、Pythonがインストールされていなくてもクリックするだけで実行されるファイル(exeファイル)に変換する方法を解説しています。
自分だけでなく、周りの人も助かるプログラミングができるようになりますね。
Tkinterの各ウィジェットの配置方法を紹介している
ウィジェットとは、テキストボックスとか、チェックボックスとか、プルダウンメニューとか、GUIの部品のことです。
Tkinterとは、GUIを作るためのPythonの標準ライブラリ(追加でのインストール不要な便利な機能のパッケージ)のことです。
本書にはTkinterでGUIを作成する場合の「この部品を配置したい時は、こんなコードを使うといいですよ」というのが付録として多数記載されています。
これがなかなか便利で、私も重宝しています。
まとめ
今回は「Pythonではじめるデスクトップアプリ開発入門」という書籍について紹介しました。
本書をオススメする理由は以下です。
役立つ情報やノウハウが満載ながらも、A5判228ページというコンパクトが素晴らしいです。
最初から最後のページまで順番に読み進めていっても、中だるみしないボリュームがよいです。
他の書籍とは異なるアプローチで書かれた本なので、初心者さんがとりあえず購入してみても損はありません。
個人的に、イチオシの本です!
Python初心者
Tkinterを使用したGUI開発を学習したい人
Pythonのコードをデスクトップアプリケーションにする方法を知りたい人