夏の高尾山、リュックなし&スニーカーで行ける?持ち物ガイド

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「高尾山って、登山靴やリュックって本当に必要なの?
そんな疑問を抱く気持ちはすごくわかります!

高尾山は都心から電車でアクセスしやすく、観光感覚でも楽しめる山。
だからこそ「もっと気軽に、できれば荷物少なめで行きたい」と思う人が多いんですよね。
実際ケーブルカーやリフトを使えば、ほぼ舗装された道だけで山頂まで行けてしまうルートもあります。

観光地のように楽しめる山ですが、それが全部のコースに当てはまるわけではないのも事実。
世界一登山客が多い山として知られる一方、日本一遭難者が多い山としても有名です。
あまりにもラフすぎる格好で挑んで救助隊のお世話になる人が後を絶たず、問題になっています。

この記事では、高尾山を夏に訪れるときのコース別・最低限の持ち物を、実体験を交えてわかりやすくご紹介します。

目次

高尾山ってどんな山?コースによって“登山感”が全然違う

高尾山の主な登山コースは7本

高尾山には、1号路〜6号路+稲荷山コースと、山頂から先に続く奥高尾ルートがあります。
それぞれに難易度や雰囲気が違い、自分の目的や体力に合わせて選ぶのがポイントです。

高尾山コースマップ
高尾登山電鉄公式サイトより

特に人気なのは以下の3ルートです。

  • 1号路(表参道コース)…整備された舗装路。お土産屋やお寺もあり、観光気分で歩ける
  • 6号路…沢沿いで涼しげ。夏に人気だが、道が濡れていることが多く注意が必要
  • 稲荷山コース…自然豊かで木の階段も多め。本格登山に近い雰囲気を楽しめるが、道の整備は十分

初心者・観光なら1号路+ケーブルカーまたはリフト

手軽に登山初心者や観光で楽しむなら、1号路がおすすめです。

駅からすぐの清滝駅からケーブルカーかリフトで中腹まで上がれば、そこからは歩きやすい舗装道。
小さな子ども連れも多く、「山」というより“ちょっと坂道を歩く観光地”という印象です。

ですがケーブルカーとリフトを使わずに1号路を徒歩のみで登り切ろうとするなら要注意。
乗り物でショートカットできる部分は、高尾山の中でも特に急な坂が続きます。
この部分もすべて舗装路なので登山靴ではなくてもよいですが、サンダルやヒールのある靴は控えましょう。
水分補給も忘れずに。

自然と登山っぽさを楽しみたいなら6号路・稲荷山コース

木や岩、沢など自然の中を歩きますが、遠くに道路が覗く不思議なコースです。
気温が高くても木陰が多くて涼しい反面、足元は滑りやすく、階段の段差もそれなりにあります。
軽装すぎると疲労やケガにつながる可能性も。
混雑する時期は登りのみの一方通行になることもあるくらい、細い崖沿いの道もあります。

沢があり、水量が多いタイミングは靴が沢の水に浸かることもあります。
スニーカーでもなんとかなりますが、浸水しやすいメッシュ生地などの靴はやめましょう。

しっかりハイキングや登山をしたいなら奥高尾・陣馬山方面

山頂で終わらず、さらに奥に進めば「縦走」と呼ばれる本格的な登山ルートに突入。
景信山や陣馬山方面は5〜6時間のコースもあり、装備・体力ともにしっかりした準備が必要です。
気軽に高尾山を楽しみたいというときにはあまりお勧めできません。

ケーブルカー利用&1号路だけなら軽装でOK

スニーカーで十分!水分補給は忘れずに

1号路とケーブルカーを組み合わせれば、全ルート中もっとも負担が少なく、安全に登れます。
道は舗装されており、段差や滑りやすい箇所もほぼありません。
スニーカー程度で問題ないし、バッグもサコッシュやトートバッグでも歩けます。

とはいえ、真夏は汗をかきますし、熱中症のリスクがあります。
水分補給は必須です。
最低限の準備はしておきましょう。

飲み物はマストで!熱中症と汗対策をしよう

まず最も大切なのが飲み物です。
500ml〜1リットル程度スポーツドリンクを持参すると安心です。
高尾山口駅や途中の売店、自動販売機でも購入できるので、必要に応じて補充しながら歩くことも可能です。

汗をかいたときの対策として、タオルや汗拭きシートも忘れずに。
顔や首元をさっと拭けるだけでも、快適さがぐっと変わります。
特に夏は、冷却効果のあるタイプを選ぶと、リフレッシュにもなっておすすめです。

日差しが強い日には、帽子やサングラスがあるとかなり楽になります。
直射日光を避けることで、熱中症の予防にもつながりますし、疲労感もやわらぎます。
早朝の人が少ない時間帯なら日傘も良いですが、日中は人混みが激しくなりぶつかる恐れがあります。
日焼け止めアイテムがあるとなお良しです。

また、ケーブルカー内は冷房が効いていることもあり、登山道と山頂では気温差を感じることもあります。
汗をかいてからの下山もよく体が冷えてしまいます。
寒いと感じたときに羽織れるような薄手の上着が1枚あると重宝します。

スマートフォンは地図の確認や写真撮影、連絡手段として必携です。
予備のモバイルバッテリーを一緒に持っておくと安心です。

さらに夏の高尾山は虫も多くなります。
虫よけスプレーや虫さされの薬があるとよいでしょう。

歩きやすい靴とカバンを選ぼう

軽装でもOKな一号路ですが、靴底がツルツルのファッションスニーカーはNGです。
グリップが効くものを履きましょう。
舗装されているとはいえ、石ころや木の枝が転がっていることもあるので、足元には要注意です。

カバンは両手が空くものがよいです。
リュックも良いですが、荷物が少なくて良い一号路であれば肩掛けカバンやウエストポーチもオススメ。
スマホや飲み物が取り出しやすいので、快適に歩くことができます。

最後に、夏は何よりも熱中症対策を優先させましょう。
1号路には木陰もありますが、真夏の気温は非常に高くなるため、油断は禁物です。
水分はこまめに取り、必要であれば塩飴や経口補水液などで塩分補給も行いながら、安全に楽しんでください。

6号路や稲荷山コースは軽装ではキツい?

一号路とは道の状態が違う!ぬかるみ・段差・滑りやすさUP

6号路は人気コースのひとつですが、沢沿いに進むため、道が濡れていたり泥が多いことも珍しくありません。
滑りやすく、スニーカーの性能次第では危険も。
稲荷山コースは比較的乾いていますが長めの階段や傾斜が多く、バランス感覚と筋力が必要です。

6号路や稲荷山コースは観光スポットでもある薬王院を通りません。終始山道です。
観光目的や初めての高尾山では上りと下りのどちらかは1号路で薬王院に立ち寄るのがおすすめ。

滑りにくく、足首を覆う靴が必要

6号路や稲荷山コースを選ぶ場合、軽装のままでは不安が残ります。
舗装された1号路とは異なり、自然の地形そのままの滑りやすい岩場や木の根が多いです。
長い階段が続く箇所もあります。
とくに雨のあとや湿度が高い日には、路面がぬかるみやすいです。
スニーカーでもグリップ力が弱いものでは滑ってしまうリスクがあります。

そのため靴は最低でもグリップ性のある運動靴、可能であれば軽登山靴がおすすめです。
足首を保護し長時間歩いても疲れにくい靴を選ぶことで、安全かつ快適に歩くことができます。

また、一号路に比べると持ち歩くアイテムが増えます。
両手が空きそこそこの容量があるリュックがおすすめです。
軽量かつ背中の通気性があるタイプのリュックであれば、夏場でも蒸れにくく快適です。

さらに、夏場は汗を大量にかくため、速乾性のあるインナーや、Tシャツの着替えも用意しておくと良いでしょう。
山頂や下山後に着替えることで、体温の急な変化を防ぎ、体調管理にもつながります。

軽装で歩いている人もいるけれど

「リュックなし」「スニーカーでも行ける」といった軽装スタイルで6号路や稲荷山コースを歩いている人もいます。
ただし、それが“誰にでもできる”という意味ではありません。

たとえば、日ごろから運動やウォーキングの習慣があり、体力に自信のある人であれば、ある程度の無理がきく場合もあります。
軽装でも多少の段差や傾斜は苦にせず足元にも注意を払いながら歩けるため、大きなトラブルになりにくいでしょう。

一方で普段あまり体を動かさない人や登山に慣れていない人にとっては、想像以上に体力を消耗するルートになります。
とくに夏場は汗をかくことで水分と塩分が失われ、足がつりやすくなったり熱中症のリスクも高まります。
帰り道で足がふらつき、下山に苦労したという声も少なくありません。

つまり、「軽装でもなんとかなるかも」という希望は、個人の体力と当日の天候・コースの状態によって大きく左右されるというのが実情です。
不安がある場合は、やはり安全寄りの装備を選んでおくのが無難です。

持ち物を軽くするコツと便利アイテム紹介

飲み物は現地調達できる

夏の登山では、水分の持参が絶対条件です。
高尾山の場合は駅周辺や登山口、に自動販売機やコンビニがあります。
山を登る前に、下山完了までの分の飲み物を買っておきましょう。

6号路や稲荷山コースは売店や自販機が途中になく、山頂まで行かないと購入できません。
1号路はケーブルカーやリフトの駅に自販機がありますが、タイミングによっては売り切ればかりの時もあります。
出発前に持参しておく方が安心です

また、気温が高くなるとペットボトルの中身がすぐにぬるくなってしまうこともあります。
ご自宅やコンビニで凍らせたペットボトルを用意できると時間が経っても冷たい飲み物が楽しめ、さらによいでしょう。

荷物は整理したり預けたりして身軽にしよう

なるべく荷物は減らしたいですが、減らしすぎて必要なものがないというのは避けたいところです。
そのためには、“少ないけどちゃんと使える”持ち物にまとめる工夫が効果的です。

たとえばジップロックを使ってタオルや薬、スマホグッズなどを種類ごとに小分けにしておくと、必要なときにすぐ取り出せて便利です。
荷物の形状をそろえておくことでカバンの中が散らからず、動きながらでも出し入れがスムーズになります。

必要ない荷物は駅のロッカーに預けるという選択肢もあります。
高尾山口駅にはコインロッカーが設置されており、大きめの荷物や帰りにしか使わない着替えなどは預けておけます。荷物を預けておけば、登山中は身軽に行動することができます。

「冷感」より「冷却」グッズを選ぼう

夏の暑さ対策として冷感タオルやひんやりシートがよく紹介されますが、これらは肌に触れたときに涼しく感じるだけで、実際に体温を下げているわけではありません。
そのため体は熱をため込んだままなのに「涼しいと錯覚」してしまい、結果的に熱中症の初期症状を見逃すリスクがあります。

より安全かつ効果的なのは、実際に熱を逃がすことのできる“冷却”グッズです。
冷却プレートが付いたネッククーラーなどを使うと首元の大きな血管を直接冷やすことができます。
これは体全体の温度調節にもつながり、登山中のパフォーマンスを落とさずに済みます。

そのほかにも、保冷剤をタオルに包んで首や脇、ひざ裏に当てる方法や、服の上から使える冷却スプレー、併用するスタイルなどが、実際に体温を下げる点で有効です。

「涼しく感じる」ではなく、「体を冷やす」ことを意識したアイテム選びが夏の高尾山では重要になります。

【まとめ】「軽装で登れる」には条件あり!

結論としてケーブルカーやリフトを使い、1号路の舗装路のみを歩く場合に限れば、軽装でも楽しむことは十分に可能です。
ただしそれでも夏の登山では最低限の水分補給、汗対策、暑さ対策といった基本装備は必要です。

一方で6号路や稲荷山コース、さらにその先の奥高尾まで足を延ばす場合は、山道を歩くための備えが必須になります。
とくに夏は気温が高く、体力を奪われやすい季節です。
登山初心者こそ「軽さ」より「安全性」を優先した装備が求められます。

「できるだけ軽装で行きたい」という気持ちはとてもよくわかります。
ですがその軽さを実現するには、ルート選び・天候チェック・自分の体力と相談することが前提になります。

「都心から近くて、誰でも登れる山」として人気の高尾山。
実際にスニーカーやリュックなしで訪れている人も見かけます。
しかしその印象だけを頼りに軽装で出かけてしまうと、思いがけない苦労やリスクに直面するかもしれません。

高尾山は、どんなレベルの人にも開かれた懐の深い山です。
だからこそ、自分に合ったスタイルで、安全に、そして楽しく登るための“ちょっとした準備”を怠らずに出かけてほしい――それがこの記事の一番伝えたいことです。

無理をせず、自分に合った「ちょうどいい登り方」で、夏の高尾山を思いきり楽しんでくださいね。

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